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Henri Magnien |
BOURGOGNE Selection |
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前世紀末から今世紀初頭にかけてのおよそ10年間、当時のアメリカ市場の嗜好を主たる要因として、ブルゴーニュにおいてもとりわけ濃厚なパワーワインが造られたことは醸造史に記録されるでしょう。そしてこのことは、その後のアメリカ市場の失速と、世界各国のワインラヴァーがよりナチュラルで上品なワインへと里帰りしたことによって当該生産者のカーヴに築かれた山のような在庫の記憶とともに、若手の醸造家たちにとって良い反面教師となりました。
中でもヴォーヌ・ロマネ村と並んで大きな反動を経験したジュヴレ・シャンベルタン村では、新しい世代の造り手たちがとりわけ熱心に、一丸となって、ピノ・ノワールのあるべき姿を再探求する姿が見られます。
「超完璧主義者のドゥニが、格別に力強い深い色のジュヴレ=シャンベルタンを造っていたが、2006年に不時の他界。息子のアルノはもう少し優雅なものを求めている」(ヒュー・ジョンソン。「ドメーヌ・ドニ・モルテ」を評して)。
父の後を継いだこのアルノー・モルテがそのリーダー格で、彼を中心とした研究ネットワークから、品質を劇的に向上させた新世代が現れてきています。
その最たる造り手が「アンリ・マニャン」です。1656年からジュヴレ村の住人であったというこの由緒ある生産者は、ヨーロッパ中の個人のワイン愛好家達やワインショップなどからの注文で毎年完売が続いていたために、品質を大きく向上させようという動機はやや希薄でしたが、2007年からワイン造りに参画した息子のシャルルが、アルノー・モルテやベルトラン・デュガらとの情報交換を通じて栽培から醸造まで多岐に渡る改革を行い、大きな品質向上を成し遂げました。
とても誠実な彼が畑仕事の合間を縫って一生懸命まとめてくれたレポートには、「結論」として次のように書かれています。
「ピノ・ノワールという品種ならではの、繊細で薫り高いワインづくりを目指しています。それは気品があり絹のようになめらかなタンニンを伴う、まろやかでバランスの良いワインです。私たちは、ワインの自然な風味を”修正する”ことができると考えられている(技術や添加物等の)あらゆる干渉を制限します。あらゆる「アグレッシブなもの」は歓迎しません。ピノ・ノワールは、肩の力を抜いて自然な悦びをもたらしてくれるもの、また、美味しい料理を引き立てるものであると考えています」。
所在村 |
Gevrey-Chambertin |
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醸造家 |
Charles Magnien |
所有畑面積 |
6ha |
ドメーヌ継承年 |
2007年 |
栽培における特記事項 |
実質ビオロジック栽培の厳格なリュット・レゾネ。化学肥料、除草剤、殺虫剤、防腐剤は原則として一切使用しない |
醸造における特記事項 |
3回選果。除梗85~100%。天然酵母のみで発酵。伝統的な人足による櫂入れ。樽は「フィネスとアロマに特に優れた」ジュピーユの森産のものを中心に使用。無清澄、ノンフィルターでビン詰め |
販売先 |
輸出50%(EU各国、スイス、アメリカ、カナダ)、ヨーロッパ中(フランス、イギリス、ドイツ、ベルギー、スイス、デンマーク、スペイン等)の個人のワイン愛好家、フランスやスイスのワインショップ、レストランやビストロ |
掲載実績のある海外メディア |
「Gilbert & Gaillard」等 |
ブロション村内のACブルゴーニュ単一区画「ムティエ」に0.37ha。泥灰土質・砂質土壌。平均樹齢30年。カヴァン社製ジュピーユ、コンピエージュ、フォンテーヌブローの各森産の2~3回使用樽で12ヶ月間の熟成。
ブロション村内のリウ・ディ「ク・ド・アラン」の中にあるモノポール区画「クロ・フランソワ・テュロ」より。0.5ha。石灰質に勝る粘土石灰質土壌。樹齢約50年のVV。カヴァン社製ジュピーユ、コンピエージュ、フォンテーヌブローの各森産の新樽20%、1~3回使用樽80%で12ヶ月間熟成。
「ロンスヴィー」「ラ・ビュリ」「グラン・シャン」「クルー・ブルイヤール」「グランド・レイエ」「レ・マルシェ」の6区画より。合計1.25ha。樹齢約30年。カヴァン社製ジュピーユ、コンピエージュ、フォンテーヌブローの各森産の新樽25%、1~3回使用樽75%で12ヶ月間の熟成。
「アン・シャン」「レ・セルキュイユ」「シャンペリエ」等、8つのリウ・ディより。沖積土質・泥灰土質土壌。樹齢約40~100年(平均約60年)のVV。カヴァン社製ジュピーユ、コンピエージュ、フォンテーヌブローの各森産の新樽30%、1~3回使用樽70%で12ヶ月間の熟成。
0.25ha。石灰岩質土壌。平均樹齢35年のVV。カヴァン社製ジュピーユ、コンピエージュ、フォンテーヌブローの各森産の新樽50%、1~3回使用樽50%で12ヶ月間の熟成。
「レ・カズティエの4つのテロワール」のすべてを縦断的に包含して1.46ha。石灰岩質・泥灰土質土壌。平均樹齢60年の超VV。カヴァン社製ジュピーユ、コンピエージュ、フォンテーヌブローの各森産の新樽50%、1~3回使用樽50%で12ヶ月間の熟成。
0.33ha。泥灰土質・石灰岩質土壌。平均樹齢40年のVV。カヴァン社製ジュピーユ、コンピエージュ、フォンテーヌブローの各森産の新樽50%、1~3回使用樽50%で12ヶ月間の熟成。
0.26ha。粘土石灰質土壌。平均樹齢45年のVV。カヴァン社製ジュピーユ、コンピエージュ、フォンテーヌブローの各森産の新樽50%、1~3回使用樽50%で12ヶ月間の熟成。
「ワイン法とか市場性とかに関係なく、ただ純粋に、今の僕にできる最高品質のワインを造ること」を目的として生まれた特別限定作品です。所有する4つのプルミエ・クリュ(レ・シャンポー、レ・カズティエ、エストゥールネル・サン・ジャック、ラヴォー・サン・ジャック)の収穫時に、選果台のベルトコンベアーの速度をぎりぎりまで遅くした上で「完璧な房」のみを選びきり、除梗せずにこの作品専用の小型ステンレスタンクに入れます。ピジャージュもルモンタージュも行わずに3週間かけてアルコール発酵を行った後、職人技による微細な調整が可能な風船式プレス機で「これ以上は無理というほどゆっくりと」プレスします。24時間のデブルバージュで不純物を沈殿させた後、上澄みのワインを樽にゆっくりと注ぎます。樽は一樽のみで、名門カヴァン社のこの道何十年の職人が、フォンテーヌブローの森から厳選した最上の木を4年間天日干しにした(普通は1.5~2年間)、年産50樽限定の最高級品「アフロディット」の新樽を使用。とはいえ樽香をつけることが目的ではないので、「EP」(extra profonde、最も深い焼き方)を採用しています。マロラクティック発酵を経た後12ヵ月間、一度も澱引きをせずにシュール・リーで熟成させ、無清澄、ノンフィルターでビン詰め。長期熟成に耐えるよう、54mmの最長級コルクを使用(普通は42~49mm)し、蝋(ロウ)封をして完成させたものです。「シャンポーは柔らかさ、カズティエとエストゥールネルは力強さ、ラヴォーは香りと繊細さ、とよく言われますが、これらすべての個性が調和して複雑味を増し、他に類を見ない完成度に仕上がっていると思います」(シャルル・マニャン)。
0.77ha。粘土石灰質土壌。平均樹齢50年のVV。カヴァン社製ジュピーユ、コンピエージュ、フォンテーヌブロー、シャティヨンの各森産の新樽50%、1回使用樽50%で12ヶ月間の熟成。
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