インターネット版の 「Wine Spectator Insider」 の8月6日付号で、「ルイ・シュニュ」の
Savigny-lès-Beaune 1er Cru Aux Clous Rouge 2006
が90点を獲得したという報告が、ジュリエットから届きました。
「ルイ・シュニュ」の2006年ヴィンテージは、どのワインも、果実のピュアさと繊細な味わいがきれいに出た「ルイ・シュニュ」らしい味わいとなりました。逆に言えば、果実の力強さが前面に出た2005年ヴィンテージと比べると、「うすく」感じるスタイルです。
「Wine Spectator」は良くも悪くもアメリカ人のワインに対する味覚が顕著に表れているワイン雑誌だと思いますが、それが90点とは・・・。
「ルイ・シュニュ」のワインが「Wine Spectator」に登場したのは今回が初めてではありません。かつて、以下のワインが掲載されました。
Savigny-lès-Beaune Vieilles Vignes Rouge 2002 86点
Savigny-lès-Beaune 1er Cru Les Lavières 2002 85点
Savigny-lès-Beaune 1er Cru Aux Clous Rouge 2003 88点
真ん中のLes Lavières 2002 が85点をとった時のことは今でもよく覚えていますが、数年前に「ルイ・シュニュ」を訪問した際、発売されたばかりのこの号をジュリエットから見せられて、
「取引がはじまったばかりのアメリカのインポーターが頑張って宣伝してくれて、「Wine Spectator」に取り上げられたのはいいのだけど、こんなに低い点数だったわ」
と言われ(確かサヴィニー特集で、85点は多くの造り手のサヴィニーの中でも相当低い点数でした)、「逆にエレガントで美味しいことの証明になってるんじゃない?」と言って笑いあったものです。
「90点には本当に驚きました。私たちのワインはピュアなスタイルで、ノン・アメリカンな味わいなのですが・・・。ただ、数年前から、アメリカ人のワインに対する味覚も随分変わってきていますので、それが「Wine Spectator」にも反映されはじめたのかしら。いずれにせよ、グッドニュースです。」
アメリカ人が、以前のような濃厚パワフルワインではなく、よりピュアで繊細なワインを好むようになってきたことはよく知られるようになりましたが、その流れで「Wine Spectator」の評価基準も変わってきているのだとしたら、本当に歴史的な大転換だと思います。