なかなか更新できずにスミマセン・・・。
5月から6月は、気温の上昇とともに、枝や葉がどんどん成長していきます。
この時期は、余分に出た芽や梢を取り除き、伸び過ぎた枝を切って整える作業が中心になります。
「ぶどう樹はすごく速いペースで成長しますので、今は収穫期と並んで、畑での作業時間が1年でもっとも長い時期です。ぶどう樹の成長のリズムをつかみ、正しい作業を正しいタイミングで正しく行うことを心がけています。」(キャロリーヌ)
台木(根)から出た不要な枝を刈り取っているところです。
「以前よりはだいぶ慣れましたが、ブルゴーニュのぶどう樹の仕立は低いので、中腰での作業ばかりで年中腰痛です(笑)」。
(ちなみに、「ルイ・シュニュ」の仕立てはすべて、「ギュイヨ・サンプル」と呼ばれるブルゴーニュで一般的な仕立て方式です。)
「整枝」作業では、枝を、上中下3本ある針金のうちの真ん中の二重針金の間に挟んで固定していきます。写真は、真ん中の針金にはまだ挟めない枝を、麦わら状にしたジョン(jonc、い草の一種)で結わえる作業です。(この仕事を、だだっ広い畑全部でやるわけですから、そりゃあ腰痛にもなります・・。)
「整枝作業によって、ぶどうに日光がよく当たるようになります。また、トラクターを入れた時に、ぶどうや枝を傷つけることがなくなります」。
トラクターと言えば・・・写真の土は、4月に除草(雑草をとること)が完了したきれいな土ですが、「ルイ・シュニュ」では原則として除草剤は一切使用せず、すべてトラクターで除草します。また、化学肥料や、殺虫剤など除草剤以外の農薬も原則として使用しません。
「原則として」というのは、例えば大雨が続くなどしてぶどうの健康が著しく損なわれそうな場合は、必要最低限の量を使用する可能性があるという意味で、一般的にこのような考え方による栽培を「リュット・レゾネ」(直訳は「合理的な闘争」という感じで、、普通は「減農薬農法」「環境保全型農法」などと訳されます)といいます。
「リュット・レゾネ」は慣習的に使われる概念で、「ビオロジー」「オーガニック」などと比べてはるかに定義が曖昧なため、最近は多くのヴィニュロンが口を開けば「リュット・レゾネ」、または省略形で単に「レゾネ」、と言うようになってきました。「ウチの栽培はレゾネだよ」といった感じで。。
しかし「ルイ・シュニュ」では、「リュット・レゾネ」の概念を極めて厳格に、生真面目に適用しています。また、2007年から、一部の畑(サヴィニー村名畑とプルミエクリュ・オークルーの一部)で正式な「ビオロジー」を開始し、将来の完全ビオロジー栽培への転換を目指して、より自然な栽培への取り組みを続けています。
「今年のブルゴーニュは5月から6月にかけて雨がちで、気温もかなり低めでした」。6月15日頃ブルゴーニュを訪問していた知人と電話で話した際も、「寒い!」と言ってました。そのためぶどう樹の成長が例年より遅く、畑の作業もゆっくりとしたペースで行われています。
ちょっとさかのぼりますが、「今年のブルゴーニュの開花は6月5日前後で、雨中の開花となりました。2週間ほどしとしとと降り続いた雨が止んだ6月10日に、あちこちの畑で一気に花開きました」。
俗に「開花から100日後に収穫がはじまる」と言われますが、この経験即に従うと、今年の収穫は9月10日~20日頃と予想されます。
サービスショット(!?) 開花を喜ぶキャロリーヌ(6月10日)です。